日本民族の危機 葦牙よ萌えあがれ! by 岡潔さん

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岡潔さんは日本が世界に誇る天才数学者で、仏教視点で物事を説明します。
この本は、今から四十数年前に大学生や国民に向かって講演したものと当時の文部大臣に宛てた書簡をもとに「葦芽よ萌えあがれ」として一冊にまとめられたものの復刻本です。

「今日の国の乱れは戦後教育の間違いにある!!!」
「このままじゃ、日本はヤバイ!!!」
「日本人が本来持っている情の哲学を思い出せ!」

戦後教育にどっぷり漬かり、たいした疑問も持たずに生きている私にとっては衝撃の内容でした。

例えば、「個人主義」・「物質主義」、何の違和感も無く受け入れています。

しかし、自分のために頑張る人より、他人のために頑張る人のほうが素敵です!

個人の利益のために行動する人より、みんなの利益のために行動する人のほうが共感します。

科学では、こんなにたくさん説明できないことがあるのに、説明できないことは存在しないことにするそうです。
そして、新しい発見があると、今までの常識が変わるのです。

目に見えるものしか信じないというほうが不自然ですよね。
今分かる範囲での正解は、本当の正解ではなく、仮の正解なのに・・・

でも、学校では、「自分のために頑張りましょう」とか「科学ではこれが正解です!説明できないことは存在しません」と教えます。

チョッとおかしくないですか?

利己主義な奴なんて、人に好かれないし、分からないことは説明できないから無いことにするなんて乱暴じゃありませんか?

共感できない、何だか違和感を覚えることを教えている学校???
なんで???

岡潔さん曰く、明治を境に、日本人の物事の考え方がドラスチックに変わったそうです。
大政奉還後、植民地化されては困るので、西洋の文明をよく吟味せずそのまま勉強しました。
敗戦でアメリカの思考方法を押し付けられ、日本人は全部受け入れてしまいました。

当然良い部分もありますが、「個人主義」「物質主義」が何たるかをわからないまま入れてしまったことが間違いの始まりだそうです。
憲法も法律も社会通念も学校教育も、この「個人主義」と「物質主義」を中心に作られてしまったため、おかしくなったのだそうです。

日本の歴史は古事記から始まったと習いましたが、少なくとも、明治・戦後から現代までの時間と、その前の時間を比較したら、比較できないぐらい長い歴史があったはずです。

この歴史に育まれた日本人は、そもそも「情」と「心」の民族だと、岡潔さんは教えてくれます。
※漠然としているでしょ・・・読むと物凄くわかります。

例えば夫婦で考えると、欧米人がスキンシップをして年がら年中「愛している」と言いあう理由とか、日本人は中々離婚できない理由が凄く深いレベルで理解できます。

「心」の考え方は、わかる人には凄くわかるし、わからない人は全然分からないと思います。
いや、読んだ後、自分の遺伝子が思い出してくれるかもしれません。「心」のことを!

「自分は日本民族という心から生まれてきて、やがて、又、そこへ帰っていく、一ひらの心だ」by岡清さん。

物事の根本的な考え方が覆る凄い一冊です。
日本民族の危機―葦牙よ萌えあがれ!
岡清さんの刺激的な本

注意:最近、アルボムッレ・スマナサーラさんという辛口でストレートでユーモア溢れるスリランカの高僧の本にはまっています。
仏教を少しかじっているので、この本を理解できましたが、そうでない人は、衝撃的過ぎて困ってしまうかもしれません。

皆が誰かの正解に誘導されている現代。
これは、覚醒するために必要な一冊だと思います。
スターウォーズの覚醒も楽しそうですが、岡潔さんを読んだら、本当に覚醒してしまいます。

チョッと危険な書籍です。
読むのであれば覚悟して読んでください。

そうでない人は、知らぬが仏、惰眠をむさぼるのも人生です。

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