宇宙飛行士が教える地球の歩きかたbyクリス・ハドフィールドさん。 夢を叶えた人の素敵な3つの考え方

地球

今を去ること46年前。
月面に降り立ったニール・アームストロングを見て、少年は人生の目的を見つけたのです。

アメリカの国家事業、アメリカ人しか宇宙計画に参加することができない時代に、9歳のカナダ人の少年は宇宙飛行士になると決めました。

宇宙飛行士の養成プログラムも、宇宙飛行士になるためのマニュアルもありません。
ましてや相談できる相手もいません。

地球
by cici_luis

彼がとった行動は・・・

宇宙飛行士になるような人は、9歳のときに何をするだろう?
それを想像して、まったく同じことをしようと決めたんだ。

宇宙飛行士が食べるのは野菜?それともポテトチップス?
朝はゆっくり寝るのか?それとも早起きして読書をするのか?

親に言ったら、ロックスターになりたいと宣言した時のような反応をされたと思う。

でも、その日の夜から、僕の夢は人生に方向性を与えてくれた。
当時僕は9歳だったけれど、自分にはいろんな選択肢があって、自分の決断がものを言うとわかっていた。
毎日何をするかで、自分がどんな人間になるかが決まるんだって!

著者のクリス・ハドフィールドさんは、計3回の宇宙飛行の経験を持ち、2012年の宇宙飛行では国際宇宙ステーションの船長を務めた、カナダの国民的英雄です。
しかも、写真家でミュージシャンでツイッターのフォロワー数が120万人を超える人気者!

この宇宙飛行士が、宇宙へ向かう旅の過程で気が付きました。
この地球上でより豊かに、より幸せに暮らすコツ
「準備する」・「ゼロになる」・「謙虚でいる」

カッコいいじゃありませんか!
あなたの夢って何ですか?

まさか、起業して年収2000万にするなんていう小さい夢じゃないでしょうね・・・(笑う)

そもそも宇宙飛行士になれる人ってどんな人でしょうか。
秀才で運動神経が抜群で人生の競争を勝ち抜く人。
常に特別扱いされるエリートの中でも、選りすぐりのスーパーエリート。

しかも、スペースシャトルに乗れるのは、運やタイミングも必要なのです。
こんな、世界最高の人材がチャレンジする宇宙飛行士。

こんな尖がった組織の中で経験したことが、本当に実生活で役に立つのですか・・・?

宇宙飛行士が教える地球の歩き方
宇宙飛行士が教える地球の歩き方

準備する

「どうやって恐怖を乗り越えるんですか」

スペースシャトルのチャレンジャー号が打ち上げ直後に爆発したことを覚えている人も多いと思います。

突然、宇宙に連れて行ってあげると言われ、スペースシャトルに載せられ「4分後に発射します。ちなみに、1回でもミスをしたら全員即死ですのでよろしく!」
なんて言われたら、確かに怖いと思います。

でも、ハドフィールドさんは大丈夫だと言います。
何が起こるかわからないから怖い。

しかし、専門家のスタッフが総力を挙げて打ち上げから着陸までに起こりうる状況の対応方法をシュミレーションし、それに対応するだけの訓練を積んできたから怖くないのです。

プラスもマイナス解決方法を考え抜いて準備しておく

地球での失敗は取り戻せますが、宇宙での失敗はあの世行きです。

ヤバい時は、ここは宇宙だと思ってみましょう。

ゼロになる

宇宙飛行士を目指す人は、自信家が多いそうです。
それはそうでしょう、優秀な人たちですから。
だから、自分が少しぐらい凄くても、大した自慢にはならないのです。

そうすると、承認されないから、つい自分の力を見せつけたくなる。
自分を売り込みたくなるのが人情です。

全く新しい環境に貢献する最善の方法とは、自分がどれだけプラスなのかを証明することなんかじゃない。
プラスの影響もマイナスの影響も与えずに、もともといる人たちの行動を観察して学び、下働きみたいな仕事をなるべく引き受けて、相手の役に立つことなんだ。

ハドフィールドさんが新人の時、二人の超ベテラン宇宙飛行士とシャトルの再突入シュミレーションをしていたそうです。
ハドさんは、自分の力を認めさせようと努力するのではなく、学生のように目を見開いて、本気で観察していたそうです。
たまたま、船長が押そうとしているボタンが間違いだと確信して「いや、そのボタン違います」と言ったそうです。

その場では何もなくシュミレーションは完了しましたが、後日打ち上げの時にその船長と同席したそうです。
たまたま、ジョンソン宇宙センターの長官と3人で話をしているときに、その船長がシュミレーションでミスを指摘したハドさんの観察力を絶賛したそうです。

素晴らしい!

それからほどなくして、ハドさんは初めての宇宙飛行のミッションを言い渡されたのです。
ハドさんいわく、ゼロを目指したことは、僕のチャンスをつぶしはしなかった。

自分の能力を認めさせようと努力するのではなく、相手の役に立つことを探して実践する。
ご縁と出世は、上から降りてくるようです。

謙虚でいる

宇宙飛行士になることは凄いステータスです。

この宇宙飛行士の栄冠を捨てられない人も存在します。
宇宙から帰還したばかりの宇宙飛行士は世間をブイブイ言わせることができます。

でもすぐに時代は変わります。
過去の栄光にすがる気持ちはわかりますが、みじめな人生の始まりでもあります。

自分が最高に輝いている瞬間にしか価値を見いだせなくなると、ほとんどの時間は、落ちこぼれみたいな気分を味わう羽目になってしまう。

個人的な話、僕は大体の時間は自分に満足しているし、僕にとってはどんなものにだって価値がある。
何気ない瞬間、有意義な瞬間、新聞を震わすような成功、それに、僕だけが知っているような成功も。
難しいのは、他人を振り向かせるような偉大で輝かしい瞬間に惑わされないことだ。

そういう瞬間を楽しみ、お祝いしたら、とっとと前に進む

その方法を自分で見つけるべきなんだ。

ジョンソン宇宙センターに帰還を報告しても、英雄的な扱いは無く「よくやった」の一言だけなんですって。
そしてあっさりと、組織のはしごのてっぺんから蹴り落とされるんだそうです。
ソユーズから帰ってきた宇宙飛行士が、組織の平凡な一員として、サポートチームへと再編集されたりするのです。
英雄としての立場で迎えてくれません。
でも、これがいいんだそうです。

サポートチームの一員になると、外部の人に対してどれだけ目立つかで、自分の仕事の意味や価値が決まるわけじゃないということが良くわかるそうです。

てっぺんに立ってみると、地上で働く人々がミッションの成功にとってどれだけ大事なのかわかります。
それがわかると、ミッションに当たっている宇宙飛行士をサポートすることが楽になり、意義深く感じられるのだそうです。

普通、誰でも「宇宙飛行士だった俺様が、何でこんなことしなきゃならないんだ!」
くらい思うような気がします。

NASAでは、リーダーとサポーターの役割を入れ替える練習をきちんと積んでいるから、だんだんと受け入れられるようになるそうです・・・(凄!)
そして、遅かれ早かれ、はしごを気持ちよく降りたほうが、自分も含め、全員にとってプラスだと気付く時が来るのだそうです。

謙遜があればこそ、僕は喜んではしごを降りられる。そして、いつか新しいはしごをのると決めた時にも、あって邪魔にはならないはずなのだ。

 

これやりたい!
こんな、子どもみたいなことを感じたら、この夢を叶えたいと感じたら・・・

叶えるための「準備」
叶えるために、上から引っ張られるための「ゼロ」
叶えた後の「謙虚」

なるほど、「熱い思い」は「事前準備」と「相手の利益」と「謙虚な態度」で叶うかもしれないんですね。

 

この本は、宇宙のことなんか知らなくても描写がリアルで読み物として楽しめます。

ハドさん、楽しかった。
ありがとうございました。

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