日本の童話って「正直」がキーワードだけど、インドの童話って「騙す」がキーワードなんだ!
皆が寄ってたかって騙しに来るから、しっかり見極め、したたかに生きたほうがいいよ!
こんな事が書いてある童話って凄いと思わない!
ちょくちょくインドに出張している友人のMさんから教えてもらいました。
読んだら相当面白い一冊です。
登場人物は、ライオンやワニやサルやキツネやカラスやウサギやネズミ、そして人間。
皆、それぞれ思考を持ち言葉を喋ります。
毎日が食うか食われるかの世界です。
弱者は強者を騙さないと食べられてしまいます。
強者も頭を使わないと弱者を食べる事ができません。
均等であれば、駆け引きが強くないと、嵌められてしまいます。
リーダーとして立派なライオンもいれば、しょうもないライオンもいます。
小利口で立ち回りの上手なキツネがいます。
泰然として愛に溢れるゾウが窮地に立たされ、信頼すべき友を疑ってしまったり、昔の恩義を忘れず大群で駆けつけるネズミがいます。
見た感じ凶暴で頭の悪そうに見えるワニが、実は繊細で優しかったり、楽観的な凡夫のサルが判断を誤り失った友情を嘆いたりしています。
そして人間は、感情に身を任せ取り返しの付かない事をしてしまったりするのです。
弱肉強食、食うか食われるかの中で生きていく知恵を教えてくれる一冊です。
いや、俗世の処世術と倫理を考えさせられる一冊です。
「洞察」「機転」「行動力」そして「思いやり」と「愛」
綺麗事ではなく、追い詰められたら普通こんな行動するよね。
性格を分類して、この人ならこんな判断をするよね。
たとえどんな状況であっても、人としてこんな決断をしたいよね。
こんな行動心理を感じながら読める、童話なんだけど大人が楽しめる本です。
いじめられっ子を持つ親御さん
近所の意地悪ばあさんに困っている奥さん
パワハラ三昧の上司に困っているお父さん
これは役に立ちますよ!
さて、「童話、神話はその国の事を知るのに一番役立つ」と昔友達に言われたことがあります。
パンチャタントラ物語―古代インドの説話集を学び、愚かな王子達が半年で賢くなったといわれている、とても奥が深い本です。
最近インドに嵌っています(笑)